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朝日、夕日に紅く映る山々の斜面や雲海は高山エリアならではの景観です。

太魯閣国立公園地域の気候は、地形や地勢の変化によって大きな違いが見られます。東部の海面から標高500m以下にあたる地域は亜熱帯湿潤型の気候区域で、南、北、西側の標高3000m以上の高山地帯は寒帯重湿型気候区域に属し、其の他の標高1000m~3000mの山地は温帯気候区域に属します。太魯閣地域にある中央気象局所属の緑水平地気候観測ステーション(標高413m)と嵐山山地気候観測ステーション(標高2000m)のデータ、立霧渓沿岸の台湾電力気候観測ステーションのデータを総合し、更に外環山、梨山、花蓮、玉山などの気候観測データをあわせて参考にすると、この地域の気候は次のように説明できます。

亜熱帯の台湾でも中海抜の山間では秋になると広葉樹が紅葉し、緑の山に彩を添えます。 太魯閣国立公園は年間を通して豊富な雨量に恵まれ、地下水がところどころ岩の隙間から流れ出ています。 高山エリアの山の斜面は年間を通して強い風が吹くため背の高い植物が育ちにくく、春から夏にかけては高山植物が花を競います。 台風のあとは峡谷のあちこちで滝が白い筋になって見られます。
気温
台湾の山地の年間平均気温の等温線をみると、海抜が上昇するとともに気温が下がり、その低下幅は海抜が上昇するとともに大きくなります。標高2000m以下の地域では海抜が100m上昇するごとに気温が0.3~0.5℃下がり、標高2000m~3000mの地域では0.5~0.6℃、3000m以上では0.65℃下がります。太魯閣国立公園の標高1000m地点の年間平均気温は17.5℃で、これは主に中部東西横貫公路の天祥から東の地域にあてはまります。標高2000m地点の年間平均気温は12.5℃で、これは慈恩から東の区域と立霧渓峡谷区域上方の高山があてはまります。しかし、合歓山、南湖大山、奇來連峰などの標高3000m以上の高山地帯では、年間の平均気温は7.7℃にとどまり、1月と2月は0℃以下になることが多く、積雪期間は4ヶ月に及びます。このように気温の垂直変化が大きいことから、高山地帯では冬は雪が降り、中海抜地域は夏の避暑に理想的な気候になっています。
雨量
気象観測データによると、当地域の年間降水量は平均2000mm以上あり、地勢の高いところほど雨量が多くなっています。標高500m以下の谷間や平野では年間雨量も雨天日数も少なく、冬はやや乾燥し、雨も強く降りません。標高1000~2000mの山地では、冬と夏の雨量と雨天日数がやや多く、降雨率は0.5に達し、標高2000m以上の山地では、夏に雨が多く、月間平均雨量は330mmになります。標高2500m以上の山地では、冬に雪が降ります。合歓山一帯では、湿った気流が蘭陽渓と立霧渓を上ってここに集まるため積雪量が多く年間の雨量は3500mmに達します。

太魯各地域の夏の降水はそのほとんどが対流性の雷を伴ったにわか雨と台風によるもので、6月から9月まで、各地域の雨量は200mm以上、合歓山では550mmを記録します。冬は北東から強い季節風が吹き、それが海上を通って渓谷に沿って上昇してくるので、地勢が高いところで雨が降ります。しかし雨の量は少なく、50mm~90mmほどです。
風と台風
この地域では、北と南、西の地勢が高く、中央を流れる立霧渓峡谷に面して険しい傾斜を成しているため、渓谷は山々に隔てられていて風は強くありません。しかし風を直接受ける中央山脈の斜面は平常でも風が強く、台風の時期には大量の雨と強い風に見舞われます。

当地域の高山地帯は気象観測ステーションが充分とはいえませんが周辺の観測データ及び玉山測候所のデータを参考に試算すると、太魯閣国立公園内の年間平均風速は、南と北の高山地域では秒速5m、冬はそれよりやや強くなります。海抜2000mの中海抜地域では秒速1.8m、中部東西横貫公路沿線の隠蔽性の高い谷間では秒速0.65mとなります。

主に毎年7月から9月にかけて台湾を襲う台風の大半は東部海岸から上陸するため、太魯閣国立公園地域はしばしば台風の被害に遭い、立霧渓の上流では豪雨となり、風速は秒速45m以上に達することもあります。
湿度と蒸発量
この地域では西部地域は南北両側の地勢が高いため空気の流れが良く、一般に空気中の水蒸気が凝結する地域より高度が高いため、年間平均相対湿度は80%に過ぎません。しかし、合歓山や奇來山一帯は湿った気流が立霧渓をさかのぼって上昇してくるため、相対湿度はこれよりやや高く、85%以上に達し、霜が降ります。中部東西横貫公路は立霧渓に沿って通っていますが湿った気流が渓谷に沿ってさかのぼり標高1500m~2000mの地帯に達すると、低気温のために水蒸気が凝結して雲や霧となり、畢緑や慈恩などの一帯は霧や雲に覆われることが多くなります。

太魯閣国立公園の標高2000m以上の地域は気温が低く、雲や霧が出ることが多いため、蒸発量も少なくなっています。年間の平均蒸発量は約1200mm前後で、季節による変化もあまりみられません。年間平均降水量が3000mmに対して蒸発量のほうが少ないため、この地域は剰水区にあたります。標高2000m以下の地域東部花蓮地区に近い山地では、降水量が年間約2000mmとやや少なくなりますが、蒸発量は年間1500mmほどなので、ここも剰水区になります。
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  • 最終更新日:2017/08/15
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